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カメムシの卵のヒミツ 2021年6月26日

 

外で虫の卵のようなものを見つけたので、しばらく観察してみました。初めはみどり一色だった卵に、だんだんと目のようなものが見えてきて(写真右上)、観察を始めてから5日後、小さな虫がいっせいに出てきました(写真右下)

卵から出てきたのはクサギカメムシというカメムシの幼虫です。出てきたばかりの幼虫は1.5mmくらいの大きさですが、成長すると1.5cmほどの大きさの、私たちがよく知るカメムシの姿になります。

カメムシの幼虫が出たあとの卵のカラをよく見てみると、面白いことにどの卵も、まるでフタが開くようにきれいに穴が空いています(写真左下)。カメムシの卵がきれいに開くのは、カラに残ったTの字のように見える部分に秘密があります(写真赤丸)。幼虫は卵から出てくるときに、卵の中にあるT字の部分を頭で押し上げます。T字の部分が卵の内側の割れやすいところに当たり、そこから卵がきれいに開くようになっているのです。

小さな虫の卵の中に、こんなに細かいしかけがあるとはおどろきです。虫メガネなどで身近な自然の中の小さな世界をのぞいてみると、新たな発見があるかもしれませんよ。

 

令和3年6月16日(木) 十勝毎日新聞掲載(サトウ)

 

セイヨウタンポポ 夜の姿 2021年5月28日

 

春の植物のなかで、みなさんがよく知っている植物といえばセイヨウタンポポですよね。道ばたなどの日当たりの良い場所でよくみかけます。おなじみのセイヨウタンポポ、どんな姿か思い出せますか。花はあざやかな黄色。葉っぱはギザギザ。タネの時期には白いフワフワの綿毛。簡単に思いうかべることができると思います。

では、夜のセイヨウタンポポの花は、どんな姿か知っていますか。

昼間、太陽の光が当たっていると、花はお皿のように大きく開いています(写真左)。しかし、夕方暗くなってくると、花は手のひらをしぼませるようにだんだん閉じていきます。そして夜の間、花はきゅっと閉じたままの姿です(写真右)。セイヨウタンポポの花が夜に閉じるのは、花にむき出しについている大切なめしべを守るためなどの理由があります。

夜に閉じた花は、また開くのでしょうか。次の日、また太陽の光が当たれば、花は再びお皿のように大きく開きます。さて、みなさんが学校に行く朝、花はもう開いているでしょうか、まだ閉じたままでしょうか。セイヨウタンポポをもっとよく知ることができるチャンス、ぜひ注目してみてください。

 

 

2021年5月12日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)

 

チョウとガのちがい 2021年5月2日

 

早春の森をひらひらと飛ぶオレンジ色のきれいなチョウを見つけました。でも止まったところを見てみると、オレンジ色の羽は見られるものの、全体は意外と地味な色で、ガのようにも見えます(写真左上)。あとで調べてみると、チョウだと思ったこの虫は「カバシャク」というガの仲間でした。

ところで、チョウとガのちがいとは何でしょうか。なんとなくチョウはきれい、ガは地味というイメージを持っている人が多いと思います。しかし、きれいな色のガ(写真左下)や、地味な色のチョウ(写真右下)もたくさんいます。羽を閉じて止まるのはチョウ、と言われることもありますが、写真右上のようにチョウが羽を広げて止まることもあり、はっきりと分けることはできません。実は生物学では、チョウとガはどちらもチョウ目(もく)になり、区別はされていません。昔の人が見た目や習性のちがいなどで区別した、チョウとガという呼び方が今でも残っているのです。

生物学上は同じ生き物とされていても、やっぱり少しちがう気もするチョウとガ。野外に出て色々なチョウやガを観察すると、ちがいがあるかどうか見えてくるかもしれません。

 

 

2021年4月21日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)