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ハンノキの花 2022年4月30日

(写真左)ケヤマハンノキの花(青丸が雄花(おばな)、赤丸が雌花(めばな))
(写真右)風になびく雄花

 

「はんのきの それでも花の つもりかな」俳句で有名な小林一茶がよんだ句です。

植物の花というと、サクラやヒマワリのように、花びらがあって、色あざやかで、良い香りがして、目立つ花を思いうかべる人が多いでしょう。でも、ハンノキの仲間がつける花は、花びらもなく、色も地味で、香りもしません。これが本当に花なんだろうか?一茶のように不思議に思う人もいるでしょう。

サクラなどが目立つ花をつけるのには理由があります。それは、花粉を運んでくれる虫に来てもらうためです。花の中にごほうびの蜜を用意したり、目立つ色や、花びら、香りなどでアピールして虫をおびき寄せるのです。

一方、ハンノキの花は、虫ではなく風に花粉を運んでもらいます。つまり、虫に来てもらう必要がないので、ごほうびを用意したり、目立せたりしなくてよいのです。そのかわりに、風に乗って花粉が飛んでいきやすいような工夫があります。花粉を出す雄花は枝の先にたれ下がり、風になびきやすい形をしています。そして、葉が開く前で、風をじかに受けられる早春に花粉を飛ばします。目立たない花にも、たくさんの工夫がこらされているのです

 

2022年4月6日(水)十勝毎日新聞掲載(タチモリ)

 

川上を目指して セッケイカワゲラ 2022年3月24日

 

川の近くで、雪の上を歩く1cmくらいの黒い小さな虫を見つけました。これはクロカワゲラという昆虫の仲間で、雪の上を歩く姿からセッケイカワゲラとも呼ばれます。セッケイという呼び名は、山や谷に部分的に残った雪のことを言う雪渓(せっけい)から来ています。

昆虫なのに冷たい雪の上を歩いて大丈夫なのかと思ってしまいますが、セッケイカワゲラは他の昆虫と違い、寒いほうが好きなようです。特に0℃前後の気温が活動しやすいため、3月頃によく見られます。

セッケイカワゲラが雪の上を歩くのは、雪にいる微生物などを食べるためですが、実は他にも大きな目的があります。それは産卵のために川上(川の上流の方)に行くことです。セッケイカワゲラの幼虫は川の中で生活しますが、その間に下流の方に流されてしまいます。そのままだとセッケイカワゲラのすみかは、だんだんと川の下流に移動してしまうので、成虫は川上まで行ってから産卵する必要があるのです。

セッケイカワゲラは太陽の光などから川上の方向がわかるそうです。川上を目指した長い旅、見つけたらそっと見守ってあげてください。

 

2022年3月16日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)

 

春の準備はばっちり!キタコブシ 2022年3月9日

 

 

街路樹などにみられるキタコブシの木は、4月に春をつげる白い花を咲かせます。冬のようすはというと、枝に毛むくじゃらの芽をつけています。キタコブシは、ふさふさの毛で大切な芽を寒さなどから守り、冬を過ごしています。

枝全体をよく見ると、「小さい芽(写真右)」と「大きい芽(写真左)」があることが分かります。なぜ大きさのちがう芽がつくのでしょうか?芽を半分にわって中身を確かめてみました。小さい芽のなかは、緑色の層になっており、小さな葉が折りたたまれて、葉のもとが入っていました。一方、大きい芽は、白い層が重なりあってつぼみのようになっており、花のもとが入っていました。大きさのちがう芽は、小さい芽は「葉っぱが出る芽」、大きい芽は「花が咲く芽」に分かれているのです。「葉っぱが出る芽」と「花が咲く芽」は、去年の秋にはすでにできており、冬の時点で春に向けての準備はばっちりということです。

あたたかくなってくると、芽ぶきや開花に向けて、芽はだんだんふくらんでいきます。芽の大きさのちがいや変化に注目しながら、キタコブシを春まで見とどけていきましょう。

 

2022年2月16日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)