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エゾチッチゼミ 2019年8月25日

エゾチッチゼミ

今月の初めは暑い日が続きました。そんな中、森の中にひびいていたのが「チッチッチッチッ」と速いテンポで鳴く虫の声。これはエゾチッチゼミというセミの鳴き声です。エゾチッチゼミは体長2~3cmほどの小さなセミです。鳴き声も他のセミより小さめで、セミというよりバッタの仲間の鳴き声に似ています。この少し変わった鳴き声はエゾチッチゼミという名前の由来にもなっています。

 

鳴き声が聞こえれば姿も見てみたくなります。しかし、いざ探してみると、どこから鳴き声がしているのか、つきとめるのは意外とむずかしいのがわかります。体が小さく、鳴きながら移動することも多いエゾチッチゼミ。耳をすまして根気よく探さなければ見つけることはできないでしょう。

 

エゾチッチゼミは7月の終わりから9月の初めごろまで鳴きますが、森や山などの木が多いところにしか住まないため、町なかの公園などで鳴き声を聞くことはほとんどありません。夏の終わり、セミの声を聞きに森まで出かけてみてはいかがでしょうか。

 

2019年8月17日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)

 

森の生き残り合戦 2019年8月8日

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木の子どもは成長するために光をうばい合います

 

緑におおわれた森の地面をよくみると、たねから出た木の芽ばえをたくさんみつけることができます。写真はヤチダモの木の芽ばえです。たねから出たばかりのヤチダモの芽ばえは、一番下にかわいい双葉(ふたば)がついています。まだ0さいの子どもの木です。

 

森でたくさんみつけた木の芽ばえにめじるしをつけて観察(かんさつ)を続けたところ、1さいまで生き残った芽ばえは半分しかありませんでした。

 

自然のなかで木が大きく成長するまでには、さまざまな試練(しれん)が待ちうけています。木や草などいろいろな植物が育つ森では、植物の成長に必要な太陽の光のうばいあいがつねにくり返されています。小さな木の芽ばえは、うまく光を受けられなければ、かれて死んでしまいます。菌(きん)にとりつかれ、病気にかかって死んでしまう芽ばえもあります。また、森にすむ動物や虫に食べられてなくなってしまう芽ばえもあります。

 

森に出たたくさんの木の芽ばえのうち、大きな木になるまで生き残ることができるのはほんのわずかです。夏のあいだ、森のなかでは植物たちの生き残り合戦がひっそりとくりひろげられていくのです。

 

2019年7月13日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)

 

サクラとアリの関係 

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サクラの葉の蜜をなめるアリ

 

サクラが蜜(みつ)を出すところといえば、多くの人は花を思い浮かべるでしょう。もちろん花も蜜を出しますが、サクラには花のほかにも蜜を出す場所があります。サクラの葉のつけねのあたりにある小さな粒が、蜜を出す「蜜腺(みつせん)」と呼ばれる場所で、若葉の時期にここからわずかな蜜が出されます。

 

蜜をなめにやってくるのはアリです。といっても、アリはずっと蜜をなめているわけではなく、枝や葉の上を歩き回りながら、時々、葉の蜜腺に立ち寄るぐらいです。蜜が出される若葉の季節は、葉がまだやわらかく、葉を食べるアオムシなどが葉の上にたくさんいる時期でもあります。アリは葉の上を動き回っている最中に、アオムシやその卵を見つけると、エサとして巣に持ち帰ったりします。

 

つまり、アリはサクラにとって、葉を食べるやっかいもののアオムシを退治してくれるガードマンのような存在なのです。葉の蜜腺から出る蜜は、アリにパトロールしてもらうためのごほうびなのかもしれません。

 

サクラの葉の上を歩きまわっているアリを見つけたら、アリの行動をよく観察してみてください。

 

2019年7月6日 十勝毎日新聞掲載(タチモリ)