〒080-0856 帯広市南町南9線49番地
TEL:0155-66-6200 FAX:0155-47-3622
E-MAIL:info@haguku-mu.net


2019年8月
« 7月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
カテゴリー
アーカイブ


森の生き残り合戦 2019年8月8日

DSC_4372size

木の子どもは成長するために光をうばい合います

 

緑におおわれた森の地面をよくみると、たねから出た木の芽ばえをたくさんみつけることができます。写真はヤチダモの木の芽ばえです。たねから出たばかりのヤチダモの芽ばえは、一番下にかわいい双葉(ふたば)がついています。まだ0さいの子どもの木です。

 

森でたくさんみつけた木の芽ばえにめじるしをつけて観察(かんさつ)を続けたところ、1さいまで生き残った芽ばえは半分しかありませんでした。

 

自然のなかで木が大きく成長するまでには、さまざまな試練(しれん)が待ちうけています。木や草などいろいろな植物が育つ森では、植物の成長に必要な太陽の光のうばいあいがつねにくり返されています。小さな木の芽ばえは、うまく光を受けられなければ、かれて死んでしまいます。菌(きん)にとりつかれ、病気にかかって死んでしまう芽ばえもあります。また、森にすむ動物や虫に食べられてなくなってしまう芽ばえもあります。

 

森に出たたくさんの木の芽ばえのうち、大きな木になるまで生き残ることができるのはほんのわずかです。夏のあいだ、森のなかでは植物たちの生き残り合戦がひっそりとくりひろげられていくのです。

 

2019年7月13日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)

 

サクラとアリの関係 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

サクラの葉の蜜をなめるアリ

 

サクラが蜜(みつ)を出すところといえば、多くの人は花を思い浮かべるでしょう。もちろん花も蜜を出しますが、サクラには花のほかにも蜜を出す場所があります。サクラの葉のつけねのあたりにある小さな粒が、蜜を出す「蜜腺(みつせん)」と呼ばれる場所で、若葉の時期にここからわずかな蜜が出されます。

 

蜜をなめにやってくるのはアリです。といっても、アリはずっと蜜をなめているわけではなく、枝や葉の上を歩き回りながら、時々、葉の蜜腺に立ち寄るぐらいです。蜜が出される若葉の季節は、葉がまだやわらかく、葉を食べるアオムシなどが葉の上にたくさんいる時期でもあります。アリは葉の上を動き回っている最中に、アオムシやその卵を見つけると、エサとして巣に持ち帰ったりします。

 

つまり、アリはサクラにとって、葉を食べるやっかいもののアオムシを退治してくれるガードマンのような存在なのです。葉の蜜腺から出る蜜は、アリにパトロールしてもらうためのごほうびなのかもしれません。

 

サクラの葉の上を歩きまわっているアリを見つけたら、アリの行動をよく観察してみてください。

 

2019年7月6日 十勝毎日新聞掲載(タチモリ)

 

エルタテハとシータテハ 2019年7月2日

エルタテハとシータテハ

(左)エルタテハ  (右)シータテハ

 

エルタテハとシータテハ

 

春の森できれいなチョウを見つけました。タテハチョウの仲間のエルタテハです。十勝で春一番に出てくるチョウのうちの一つです。

 

羽を開いた表側はきれいな色をしているエルタテハですが、羽の裏面は枯れ葉などにまぎれて身をかくすために地味な色をしています。この羽の裏面にアルファベットの“L”のような白い模様があるのがわかるでしょうか(写真赤丸部分)。この小さな“L”がエルタテハの名前の由来となっています。生き物の日本語の名前にアルファベットが入っているというのは珍しいですね。

 

タテハチョウの仲間にはエルタテハによく似たシータテハというチョウもいます。シータテハの羽の裏にあるのは“C”のような模様。表から見るとよく似ているこの2つのチョウをわかりやすく区別するために“L”と“C”を名前に付けたのかもしれません。

 

春の早い時期に出てくるタテハチョウの仲間は、夏~秋に生まれて成虫のまま越冬したチョウたちです。長い冬をじっと耐えたチョウたちは卵を生み、次の命をつないでいきます。

 

2019年5月18日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)