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雪のふとん 2018年4月11日

 

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まだまだ寒い日が続くなか、子供たちが「かまくらのなかはあたたかいよ」と教えてくれました。かまくらのなかは、雪の壁(かべ)が人の熱で温まった空気を外へ逃(に)がさずにとどめるため、外に比べてあたたかくなります。雪の壁はまるでふとんのようです。

 

雪のふとんにおおわれた土のなかはどうでしょうか。深(ふか)くつもった雪をのけて土を堀(ほ)ってみると、土のなかは凍っていません。ミミズまで出てきました!この日の気温は氷点下10℃、土に近い雪の温度は0℃でした。空気は凍(こお)るように冷たくても、雪がふとんのような役目となり、土の熱が空気中へ逃げないので、土は凍るほどの低温にはなりません。

 

そのなかでは、ミミズや虫が冬ごしをしたり、植物の根などもかれずにいられます。もし冬じゅう雪が少ないと、冷たい空気と土が凍ることで、植物が寒さで枯れる被害(ひがい)がでることもあるのです。

 

雪があるからこそ、さまざまな生き物が北国のきびしい冬の寒さを乗りこえることができます。雪の下から緑をのぞかせる春が今から楽しみです。

 

2018年3月5日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)

 

シャクナゲの葉~自然の温度計 

 

気温によるシャクナゲ葉の違い

 

一年中、緑色の葉をつけている木を常緑樹といいます。北海道の常緑樹というと葉が針のように細いトドマツなどの針葉樹を想像するでしょう。

 

では、葉が広くて大きい広葉樹で、常緑の木は思い浮かぶでしょうか?実は、その数はとても少ないのです。その理由は、冬に大きな葉をつけていると、葉の上に雪が積もったり、冷たい風に水分を奪われてしまうため、葉をつけたまま冬を越すのは難しいからでしょう。

 

高山などで育ち、庭にも植えられるシャクナゲという木は常緑の広葉樹の一つです。シャクナゲは、夏には水平に広げている小判のような形の葉を、冬には裏側にくるりと丸め、棒のようにして下に向けます。こうすることで、葉の上に雪が積もることなく、水分が抜けるのも防いでいるのです。

 

面白いのは、寒さの度合いによって、葉の丸まり方が変化することです。氷点下十度を下回るような厳しい寒さの時は鉛筆ほどの細さに丸まって真下を向きますが、0℃前後の時は丸まり方もゆるやかです。

 

家からシャクナゲの木が見える人は、冬の朝、窓から葉の丸まり具合を観察してみてください。その日の冷え込みがどれぐらいか、だいたいわかりますよ。

 

2018年2月5日 十勝毎日新聞掲載(タチモリ)

 

凍りにくい液で寒さをしのぐトチノキ 

 

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気温がマイナスとなり、凍(こお)った水たまりで遊ぶのが楽しい時期ですね。木々もすっかり葉を落とし、何となくさびしげです。でもその枝には、春にむけて、新しい葉が小さく折りたたまれた芽がしっかりとついています。

 

冬のあいだ、大切な芽が凍ってしまっては大変です。木々は寒さから芽を守るために、どのような工夫をしているのでしょうか。ユニークな作戦をもつ木にトチノキがあります。

 

トチノキは街路樹(がいろじゅ)にみられ、夏にはうちわのような大きな葉をつけ、秋にはトチノミがなります。

 

トチノキの冬の枝には、テカテカと光る芽がつきます。芽をさわると、ベトベトして、ねばりのある液が!この液の正体は、糖分(とうぶん)が固まったものです。糖分は、料理に使う砂糖(さとう)だけでなく、植物にも糖としてふくまれます。水は0度で凍りますが、糖分などがとけた液は凍る温度が低くなります。トチノキは、芽を凍りにくい液で包むことで、冬の寒さから守っているのです。

 

冬のあいだ、私たちはあたたかいセーターやコートが手ばなせませんが、厳しい寒さをじっと生きぬく植物の工夫にはおどろかされるばかりです。

 

2017年11月27日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)