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アリじゃアリません 2019年5月13日

アリ

 

アリのような虫が体に登ってきました。しかし手で払いのけてみると、糸を垂らして手にぶら下がってくるではありませんか。よく見てみると、アリとは少しちがうような…。

遠くから見るとアリにしか見えなかったこの虫はアリではなく、アリグモというクモの仲間でした。アリは昆虫なので足は6本ですが、クモの足は8本。アリの頭についている触覚(しょっかく)もクモにはありません。しかしアリグモは前2本の足をいつも上にあげて、触覚のように見せることで自分をアリに似せているのです。

 

このように他の生き物や周りの物に自分の見た目や色を似せることを擬態(ぎたい)と言います。擬態には他の生き物を油断させて食べるためや、他の生き物から隠れるためなど色々な目的があります。アリグモはなぜアリに擬態しているのでしょうか。

実はアリは小さいけれど、とても強い昆虫。アリグモは他の生き物から狙われないように、強いアリの姿をまねていると考えられています。

このような擬態をする生き物は他にもたくさんいます。探してみると面白いですよ。

 

2018年8月27日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)

 

夏休みに標本を作ろう 

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生きていた証拠 標本づくり

 

博物館(はくぶつかん)には、昆虫(こんちゅう)や植物の標本(ひょうほん)があります。子どもたちに、「本物?」とよく聞かれます。からだのつくりがじょうぶな生き物は、乾燥(かんそう)させて本体を保存(ほぞん)できます。なかには百年前の標本もあるほどです。標本をつくることで、地域(ちいき)の生き物の種類(しゅるい)を正しく知ることできます。

 

夏休みに標本をつくってみてはいかがでしょうか。昆虫標本は、飼育して死んでしまった昆虫を、おかしの空き箱にまち針(ばり)でさして乾燥させます。針で足のかたちなどをそろえるときれいです。植物標本は、古いまんが雑誌に植物をはさみ、二週間ほど乾燥させます。その後、厚紙に植物をマスキングテープではるとよいでしょう。ここで大切なのは、標本の生き物がいた証拠(しょうこ)に、「だれが」「いつ」「どこで」集めたか、名ふだをつけることです。これがあれば、子どもたちがつくる標本も、大人がつくるものと価値(かち)は変わりません。種類もじっくり調べてみてください。あなたの標本が、未来の人に自然のようすを伝える大切な情報になるかもしれません。

 

2018年8月6日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)

 

雨の日まつぼっくり 

まつぼっくり

まつかさが、閉じたまつぼっくり(左)と開いたまつぼっくり(右)

上はアカマツ、下はアカエゾマツのまつぼっくり

 

皆さんは、まつぼっくりを見たことがあると思います。では、雨の日に見たことはありますか?

 

まつぼっくりは、種類によって晴れた日と雨の日では様子が違うものがあります。晴れた日は、まつかさが開いたおなじみの形ですが、雨の日にはまつかさが閉じ、ほっそりとした形になります。それらのまつぼっくりのまつかさは、ぬれると閉じ、かわくと開くという性質を持っているのです。

 

まつぼっくりは、マツの木の枝先につき、一枚一枚のまつかさの間にはタネが入っています。まつかさが閉じたり開いたりするタイプのまつぼっくりに入っているタネはとても軽くて、風が吹くとくるくると回りながら飛んでいきます。晴れた風の強い日は、タネを遠くまで飛ばすチャンスなので、まつかさを開き、タネが風で飛び出しやすくするのでしょう。反対に雨の日はタネがぬれて重くなり遠くまで飛ばすことができないので、タネがぬれないようまつかさを閉じるのだと考えられます。

 

まつかさが閉じたり開いたりするのは、子孫を残すための工夫なのですね。雨の日には、ぜひ、まつかさが閉じて、ほっそりしたまつぼっくりを探してみてください。

 

2018年7月9日 十勝毎日新聞掲載(タチモリ)