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森のこばなし

サクラが咲くまで

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サクラが咲くまで

 

日本列島の南の方からサクラ開花のニュースが順番にとどき、北海道でサクラがさく日も近づいてきました。

 

冬の間、サクラの枝には茶色いからにつつまれた芽がついています。これは冬芽(ふゆめ)といって、やがて中から花や葉が開いてきます。冬芽の中でも少し太めなのが、花になる花芽(はなめ)です。花芽は、前の年の夏にはすでにできあがっているのですが、秋に気温が上がってもふつうは花をさかせることはなく、そのまま休眠(きゅうみん)という状態に入って冬をむかえます。

 

休眠から目覚めるきっかけは冬の寒さです。花芽は一定の期間、冬の寒さにさらされることで、休眠状態から目覚め、そのあとは、十分に気温が上がってくるのを待ちます。北海道の代表的なサクラであるエゾヤマザクラでは、3月から4月ごろにかけての気温が重要で、この期間に暖かい日が続くと花がさく時期は早く、反対に気温が上がらない年は開花の時期が遅くなります。

 

十勝地方では、5月はじめごろにサクラがさく年が多いですが、昨年はとても早く、4月には満開になりました。今年はいつ、きれいな花をさかせてくれるでしょうか。楽しみに待ちましょう。

 

2019年4月6日 十勝毎日新聞掲載(タチモリ)