

ヨーロッパからきたライラックの木 2020年7月4日
道路に植えられたさまざまな街路樹(がいろじゅ)の葉が色こくなり、さわやかな季節になりました。5月~6月は、むらさき色の花を咲(さ)かせるライラックの木がひときわ目をひきます。
枝先に小さな花がたくさん集まって咲くようすは大変かわいらしく、とても良いかおりがします。ライラックの花の美しさやかおりは、多くの人を引きつけ、初夏のおとずれを知らせてくれる欠かせない存在です。
ライラックの花が多くの人を引きつけるのは、世界の国でも同じです。ライラックはもともと外国からきた木で、ふるさとはギリシャなどがあるヨーロッパのバルカン半島です。約500年前の大昔、ライラックがフランスなどへ栽培(さいばい)のために持ちこまれたことをきっかけにヨーロッパ全体に広まりました。英語で「ライラック」、フランス語では「リラ」と呼ばれます。その後、アメリカに伝わったライラックは、約150年前の明治時代に日本へ伝わりました。寒さに強いことから、日本では特に北海道に多く植えられています。
多くの国で親しまれるライラックの木、世界共通の花の美しさやかおりで、街路樹から私たちの目を楽しませてくれます。
2020年6月6日(土)十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)
