

緊急事態宣言発令に伴い、帯広の森・はぐくーむは8/27(金)~9/12(日)まで休館することとなりました。期間中に予定しておりました。以下の行事も中止といたします。
【中止する行事】
・9月4日(土) 森の寺子屋(草の巻)
・9月12日(日) 森のキノコの観察会
なお、館は休館となりますが、公園の管理業務などは引き続き行いますので、ご連絡、お問い合わせなどは、はぐくーむまでご連絡ください。
電話:0155-66-6200(月曜を除く9時~5時)
また、みなさまと、きもちよく、きがねなく、こころゆくまで帯広の森を楽しめる日を迎えるために、、、ご理解とご協力をお願いいたします。
「マツヨイグサ(待宵草)」は、宵(夜)を待つ草という意味で、その名のとおり「夜に咲く花」です。十勝では夏のあいだ、写真のメマツヨイグサが道ばたなどによくみられます。
夜暗くなるころ、メマツヨイグサのつぼみから目をはなさずじっと観察します。すると、黄色い花びらがゆっくり傘(かさ)を広げるように開く姿を見ることができます。茎(くき)にはつぼみが何個かあり、しんぼう強く観察すれば、次々と花が開く瞬間(しゅんかん)を見ることができます。
夜に花が開く理由は、ガなどの夜に活動する虫に花粉を運んでもらうためと考えられています。夜の虫に花粉を運んでもらうため、花にも工夫がほどこされています。色は明るい黄色で、暗いなかでもよく目立ちます。花からは良いかおりがして、虫をおびき寄せます。さらに、花のまん中にある花粉は、ネバネバでねばり気があり、虫の体にくっつきやすくなっています。
身近に花はたくさんありますが、花が開く瞬間を見たことがある人は少ないはずです。夜に咲くメマツヨイグサは、私たちに植物の知られざる姿を見せてくれます。
※夜の観察は、必ずお家の人と一緒に行きましょう。
2021年8月18日(水) 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)
この写真には、ある生き物がかくれています。何でしょうか?
答えはイモムシです。写真の左上から右下に斜めにまっすぐ伸びているのは、枝のようですが、枝ではなく、枝のまねをしているクワエダシャクというガの幼虫のイモムシです。
クワエダシャクの幼虫は移動する時や葉を食べる時以外のほとんどの時間を枝に成りすましてじっとしています。どうしてでしょうか?それは、外敵から身を守るためです。枝に似せることで、まわりにとけこんで目立たなくして、イモムシを食べる鳥などに見つからないようにしているのです。
イモムシの中には枝以外に木の芽や葉、鳥の糞などに成りすます種類もあります。それぞれが暮らす環境に合わせて目立たないようにしているのです。
クワエダシャクの幼虫がまねをするのはクワという木の枝です。枝の模様や形は木の種類によって違いますが、クワエダシャクの幼虫はクワの葉を食べ、成虫になるまでクワの木で過ごすので、クワの木だけをまねすればよいのです。体の色や模様は、斑点やしわなど細かな部分まで本物そっくりで、写真のように「小枝のポーズ」をとれば、ほとんどクワの枝そのものです。自然界のモノマネ名人ですね。
※写真左上から右下に伸びるクワの小枝に成りすましているのがクワエダシャクの幼虫です。
2021年7月21日(水) 十勝毎日新聞掲載(タチモリ)
