

木の葉っぱが次々と出そろう初夏。なかでもひときわ大きい葉が、ホオノキです。葉の長さは30cmほどにもなり、日本では最大級の葉っぱです!
ホオノキは、もともと山に生育する木で、6月ごろあざやかな白い花を咲(さ)かせます。身近な場所でも、公園にみられたり、帯広では街路樹として植えられています。
ホオノキの大きな葉は、昔から各地で料理などに利用されてきました。岐阜県(ぎふけん)では、5月5日の子どもの日に食べるおもちを、ホオノキの葉で包む習慣があります。また、ホオノキの葉で味噌(みそ)を包んで焼き、独特な香りをつけるホオ葉味噌も有名です。
魅力(みりょく)いっぱいのホオノキの葉は、いろいろな遊び方でも楽しむことができます。お皿代わりに使うのはもちろん、葉に穴を開けたりおったりすれば、おもしろいお面ができます。さらに、葉を写真のように切りとれば、ホオノキの葉のひこうきが完成です。だれが一番遠くに飛ばせるでしょうか。
ホオノキの葉は、夏だけでなく、秋の落ち葉でも遊ぶことができます。森や公園でひときわビッグな葉を見つけたら、ホオノキのことを思い出して手にとってみてください。
2022年6月22日(水)十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)
春の森で、花に来ていたエゾオオマルハナバチを見つけました。マルハナバチの仲間は、ミツバチと同じグループに含まれるハチで、ミツバチより少し大きく、丸みがあって毛深いのが特ちょうです。春に見かけるマルハナバチは、昨年の秋に生まれた、これから巣を作る新しい女王バチです。マルハナバチは春から夏にかけて、女王バチを中心とした巣を土の中に作って生活します。
花に来るマルハナバチには、自分のエサとなるミツを吸うこと以外に、もう一つ大きな目的があります。それは幼虫のエサとなる花粉を集めることです。マルハナバチは体についた花粉を集め、ミツと混ぜ合わせて団子状にしたものを巣に持ち帰り、幼虫に与えるのです。
マルハナバチは花粉を体につけて花から花へ飛び回るため、花の受粉を助けるという、植物にとって重要な働きもしています。体や羽音が大きいため、怖がられることも多いマルハナバチですが、性格はおとなしく、刺すことはめったにありません。見かけたらそっと見守ってあげましょう。
2022年5月18日(水)十勝毎日新聞掲載(サトウ)
