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森のこばなし

クルミハムシ

 

クルミの木の葉がボロボロになっているのを見つけました。ボロボロになった葉の上をよく見ると、黒い甲虫と、茶色いイモムシのような虫がいます。これらの虫が大量にいて、葉を食べたようです。また、葉の裏にぶら下がる、黒い干からびた虫のようなものも見えます。

これらは全てクルミハムシという昆虫です。黒い甲虫がクルミハムシの成虫、イモムシのように見えるのが幼虫で、ぶら下がっているのがさなぎです。

クルミハムシは、葉を食べる昆虫であるハムシの仲間です。成虫も幼虫も葉を食べて育ちます。ハムシの仲間は決まった植物しか食べない種類が多く、クルミハムシもクルミの葉しか食べません。

クルミハムシが葉を食べつくすくらいに大量発生するわけは、産卵前のクルミハムシのメスを見るとわかります(写真右上)。お腹が体の何倍もの大きさにふくらむくらいの卵を抱えたメスは、1匹で大量の卵を生みます。大量の卵から幼虫がいっせいに出てくることで、天敵におそわれても一部は生き残れるようにしているのです。しかし葉を食べられるクルミの木にとっては、たまったものじゃないかもしれませんね。

 

 

7月13日(水)十勝毎日新聞掲載(サトウ)