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森のこばなし

雪のふとん

 

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まだまだ寒い日が続くなか、子供たちが「かまくらのなかはあたたかいよ」と教えてくれました。かまくらのなかは、雪の壁(かべ)が人の熱で温まった空気を外へ逃(に)がさずにとどめるため、外に比べてあたたかくなります。雪の壁はまるでふとんのようです。

 

雪のふとんにおおわれた土のなかはどうでしょうか。深(ふか)くつもった雪をのけて土を堀(ほ)ってみると、土のなかは凍っていません。ミミズまで出てきました!この日の気温は氷点下10℃、土に近い雪の温度は0℃でした。空気は凍(こお)るように冷たくても、雪がふとんのような役目となり、土の熱が空気中へ逃げないので、土は凍るほどの低温にはなりません。

 

そのなかでは、ミミズや虫が冬ごしをしたり、植物の根などもかれずにいられます。もし冬じゅう雪が少ないと、冷たい空気と土が凍ることで、植物が寒さで枯れる被害(ひがい)がでることもあるのです。

 

雪があるからこそ、さまざまな生き物が北国のきびしい冬の寒さを乗りこえることができます。雪の下から緑をのぞかせる春が今から楽しみです。

 

2018年3月5日 十勝毎日新聞掲載(ミヤザキ)

 

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