

アリじゃアリません 2019年5月13日
アリのような虫が体に登ってきました。しかし手で払いのけてみると、糸を垂らして手にぶら下がってくるではありませんか。よく見てみると、アリとは少しちがうような…。
遠くから見るとアリにしか見えなかったこの虫はアリではなく、アリグモというクモの仲間でした。アリは昆虫なので足は6本ですが、クモの足は8本。アリの頭についている触覚(しょっかく)もクモにはありません。しかしアリグモは前2本の足をいつも上にあげて、触覚のように見せることで自分をアリに似せているのです。
このように他の生き物や周りの物に自分の見た目や色を似せることを擬態(ぎたい)と言います。擬態には他の生き物を油断させて食べるためや、他の生き物から隠れるためなど色々な目的があります。アリグモはなぜアリに擬態しているのでしょうか。
実はアリは小さいけれど、とても強い昆虫。アリグモは他の生き物から狙われないように、強いアリの姿をまねていると考えられています。
このような擬態をする生き物は他にもたくさんいます。探してみると面白いですよ。
2018年8月27日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)
