今月の初めは暑い日が続きました。そんな中、森の中にひびいていたのが「チッチッチッチッ」と速いテンポで鳴く虫の声。これはエゾチッチゼミというセミの鳴き声です。エゾチッチゼミは体長2~3cmほどの小さなセミです。鳴き声も他のセミより小さめで、セミというよりバッタの仲間の鳴き声に似ています。この少し変わった鳴き声はエゾチッチゼミという名前の由来にもなっています。
鳴き声が聞こえれば姿も見てみたくなります。しかし、いざ探してみると、どこから鳴き声がしているのか、つきとめるのは意外とむずかしいのがわかります。体が小さく、鳴きながら移動することも多いエゾチッチゼミ。耳をすまして根気よく探さなければ見つけることはできないでしょう。
エゾチッチゼミは7月の終わりから9月の初めごろまで鳴きますが、森や山などの木が多いところにしか住まないため、町なかの公園などで鳴き声を聞くことはほとんどありません。夏の終わり、セミの声を聞きに森まで出かけてみてはいかがでしょうか。
2019年8月17日 十勝毎日新聞掲載(サトウ)