

森のエイリアン? 2020年11月7日
森の中でヒョコヒョコと前を探りながら歩いている足の長い虫を見つけたことはないでしょうか。奇妙な見た目はまるで地球外生命体のようです。アシナガグモと呼ばれることもあるこの虫はクモのようにも見えますが、実はクモではありません。
これはザトウムシという虫の一種です。虫と言っても足は8本なので昆虫ではありません。大きな分類ではクモと同じグループに入るザトウムシですが、糸を出さない、体に“くびれ“がない、などがクモとの違いです。
ザトウムシという名前は江戸時代に目の見えない人を呼ぶ言葉だった「座頭(ざとう)」から来ています。ザトウムシがその長い足で前を探りながら歩く様子が、つえをついて歩く座頭のように見えたのでしょう。見た目はちょっと不気味なザトウムシですが、長い足でヒョコヒョコと歩く様子を見ていると、かわいらしくも思えてきます。
虫や木の実など、色々なものを食べるザトウムシは森のさまざまな場所で見られます。ぜひ探して動きを観察してみてください。
2020年10月17日(土)十勝毎日新聞掲載(サトウ)
