『どんぐりのせいくらべ』という言葉を知っていますか?
「どんぐりのように、どれもあまり差がなく似たり寄ったりだ。」というような意味の例えの言葉です。さて、どんぐりは本当にどれも似たり寄ったりなのでしょうか?それを確かめるために、実際にどんぐりを集めて比べてみました。
5本のミズナラの木から、それぞれ10個ぐらいずつ集めたどんぐりを、木ごとに①~⑤の番号をつけて並べてみました。すると、どんぐりの形はどれも違っていて、大きいものもあれば小さいものもあるし、形も丸いものや細長いものなど、さまざまであることがわかりました。
そして、もう一つ気づいたことがあります。それは成っていた木ごとにどんぐりの特ちょうが似ていることです。例えば②の木のどんぐりは横にも縦にも大きな「大がらどんぐり」、③はやや丸めの「ずんぐりどんぐり」、⑤は小ぶりで先がとがった「小がらどんぐり」といったぐあいです。
つまり、別々の木に成った「よそのどんぐり」どうしを比べると違いがありますが、同じ木に成った「きょうだいどんぐり」はわりと似ているのです。実際にやってみると、なかなか奥が深い『どんぐりのせいくらべ』でした。
十勝毎日新聞2021年10月掲載(タチモリ)
【5本のミズナラから集めたどんぐり】