どんぐりを拾ってきて家に置いていたら、中から白いイモムシのような虫が出てきたことはないでしょうか。どんぐり虫とも呼ばれるこの虫の正体は何でしょう。
どんぐり虫の種類はいくつかありますが、北海道でよく見るのは「コナラシギゾウムシ」です。コナラシギゾウムシはゾウムシの仲間の昆虫です。細長い口が特徴で、この口を使ってどんぐりがまだ青いうちに小さな穴を開け、中に卵を産みます。生まれた幼虫はどんぐりの中身を食べて成長し、穴を開けてどんぐりの外に出てくるのです。
コナラシギゾウムシは1センチ以下の小さな昆虫なので、木の上にいる成虫を見つけるのはなかなか大変です。成虫の姿を見たければ、どんぐりから出てきた幼虫を育ててみるのもいいかもしれません。出てきた幼虫を土の入ったケースにいれて、涼しいところに置いておくだけなので簡単です。ただし、時間はかかるので気長に待ちましょう。土の中にもぐった幼虫は、そこで春まで動かずに過ごしてから蛹になります。初夏になるころには成虫になって出てくることでしょう。
十勝毎日新聞2024年9月掲載(サトウ)
コナラシギゾウムシの成虫と、どんぐりの中の幼虫(丸の中)