冬の寒い日の朝、森の中を歩いていると、何かがパラパラと頭の上に落ちてきました。見上げてみると木の上に何か動くものが。エゾモモンガです。
エゾモモンガは北海道の森林に住む動物です。基本的に木の上だけで生活し、主に木の実や芽、葉などを食べます。手と足の間にマントのようなまくがあるのが特徴で、このまくを使って木から木へと滑空(かっくう)して移動します。木の上にいたのは食事中だったのでしょうか。
もう一つの特徴がまんまるの大きな目。エゾモモンガは天敵の少なくなる夜になってから活動する夜行性の動物で、昼間はキツツキの古巣などを利用して作った巣の中で寝ています。夜でもよく見えるように大きな目をしているのです。
ここで一つぎ問が。夜行性のエゾモモンガがなぜ朝に活動していたのでしょう。実は冬の夜がとても寒い日は、昼間暖かくなってからエサを探しに出て来ることがあるようです。また、この先の2月から3月は恋の季節。パートナーを見つけるために昼間外に出ることも増えてきます。いつもの年より寒い今年の冬ですが、寒い日こそ外に出てみると意外な発見があるかもしれませんよ。
十勝毎日新聞2018年3月掲載(サトウ)