冬の森というと、葉も落ち、昆虫なども少なくて、あまり楽しみがないと思うかもしれません。でも、冬こそじっくりと観察できることもあるのです。
北海道内であちこちに生えているオニグルミという木の枝や幹には顔のような模様があります。サルの顔のようでもあり、ヒツジの顔のようにもみえます。これは、葉が落ちたあとの模様で、よく見ると、小さな顔、長い顔、ひきしまった顔、ぼんやりしたような顔などいろいろな表情があります。いくつかの「顔」が一か所に集まっているところもあります。おでこにあたるところからポコッと飛び出ている部分は冬芽といって、春になるとここから新しい枝や葉が伸びてきます。オニグルミは夏になるとピンポン玉ぐらいの大きな実をつける木で、公園などにもよく植えられていますし、自然に生えているものも多く、身近な場所で見つけることのできる木です。ぜひ、オニグルミを見つけて「顔」を観察してみてください。
ほかの樹木でも葉が落ちたあとが「顔」に見える種類はたくさんあります。森や公園にでかけて、木の「顔」探しをしてみてください。きっといろいろな表情にであえるはずです。
十勝毎日新聞2017年2月掲載(タチモリ)