森の中でコツコツという音を聞いたことはないでしょうか。それはアカゲラが木をつついている音かもしれません。キツツキの仲間の中で、十勝で最もよく見られるのがアカゲラです。十勝では一年中見られる鳥で、白、黒、赤の3色の羽は冬の森では特によく目立ちます。
アカゲラはなぜ木をつつくのでしょうか。木をつつく目的で最も多いのはエサを取るためです。アカゲラは木の実なども食べますが、主に木の中にいる昆虫を掘り出して食べています。
また、アカゲラはコミュニケーションの手段としても木をつつきます。トトトトト…と高速で木をつつくことで大きな音を出し、なわばりの主張や、求愛などを行います。
アカゲラは春になると、巣作りのためにも木をつつくようになります。オスとメスが交代で木に大きな穴を掘り、その中で子育てをするのです。
アカゲラは古い巣を子育てに利用することはなく、毎年新しい巣を作ります。アカゲラが使わない古い巣は、他の鳥やモモンガなどが子育てをしたり、かくれたりするのに使われています。アカゲラは他の動物の家を作る大工さんとも言えるかもしれません。
十勝毎日新聞2021年12月掲載(サトウ)