カエデの葉についた、ぐにゃぐにゃの模様。いったい何でしょうか?
これは、虫が葉を食べたあとです。葉に産みつけられた卵からかえった幼虫が、葉の表面を残して内側部分だけをトンネルを掘るように食べ進んでいくためにこのような模様ができます。このような食べ方をする昆虫は、ハモグリバエやハモグリガなどハエやガの仲間などが知られ、葉に残る模様から「じかきむし」や「えかきむし」とも呼ばれます。
幼虫は一方通行で進んでいくので、食べあとの線は一筆書きになっています。細い方の端が「スタート地点」で、卵が産みつけられた場所です。そこで卵からかえった幼虫は、トンネルを掘って食べ進み、やがて成長して体が大きくなっていくにしたがって、道も広くなっていきます。トンネルの中には、幼虫が残した糞が黒い線となって残っています。「ゴール地点」となった反対側の端には、幼虫の姿はなく、穴があいていました。すでに脱出した後だったようです。
さて、写真には何本の一筆書きがあるかわかりますか?正解は3本。つまり、3匹の虫たちが互いに交わることなく、葉の中身を食べ進んでいったということですね。
十勝毎日新聞2024年7月掲載(タチモリ)