身近だけど貴重な鳥の鳴き声

 北海道の夏は、本州に比べ涼しくて過ごしやすいと言われています。しかし、最近は暑い夏が続き、今年から学校の夏休みが一か月以上になりました。

 はぐくーむは、市街地よりも少しだけ気温が低く、風が吹くとさらに涼しく感じます。森を散策(さんさく)していると、セミの鳴き声をかき分けて鳥の声も聞こえてきます。よく耳にするのが「キョロンキョロン、ツィー」というきれいな声。朝夕をはじめ、日中も聞こえてくることがあります。

声の主はアカハラ。北海道では4月下旬から11月上旬まで見ることのできる夏鳥です。正面から見たお腹は白いのですが、胸から脇腹(わきばら)のだいだい色の羽毛が、名前の由来となっています。木のてっぺんから中間あたりで鳴くことが多いですが、ふだんは地上で生活し、昆虫(こんちゅう)やミミズ、秋には木の実も食べて過ごします。長時間同じ場所で鳴くことも多く、よくとおる鳴き声のため見つけやすい野鳥です。

東北地方でも鳴き声を聞くことはできますが、標高の少し高いところに行かないと聞くことができません。北海道では近くの木の多い公園や川辺の林でも聞くことができるので、皆さんも探してみてください。

 

十勝毎日新聞8月掲載(オオイシ)