鳴き真似上手なミヤマカケス

    吐く息も白くなる11月。日に日に冬の足音が近づいてくるのを感じます。

 冬の間、よく見かける野鳥にカケスがいます。標高の高い涼しい場所での子育てを終えて、人里に降りてくるのが秋の終わりごろ。冬の訪れを告げる野鳥の一種です。翼の一部に青と白のしま模様(もよう)があり、美しい姿と見つけやすさから人気があります。北海道に生息するミヤマカケスは、本州に生息するカケスに比べて、顔周辺まで茶色く、顔つきが優しい印象を受けます。

ドングリが好物で、木に空いた穴や枝の付け根、地面などにかくし、冬の間の食料にもします。ミズナラやカシワの木の下に落ちたドングリをくわえ、何度も行き来する姿がよく見られます。

 また、鳴き真似が得意で、カラスやトビなどの鳥や、猫や犬の鳴き声も真似ます。とても良く似た鳴き真似に、何度もだまされた経験があります。カケス本来の鳴き声は「ジェーイ」と聞こえ、他の動物の鳴き真似をした後に、実はカケスでしたと言わんばかりにジェーイと鳴くことも。

 この二つの特徴(とくちょう)は「ドングリが好きなおしゃべりな奴」を意味する学名がつくほど。今日もどこかで、得意な鳴き真似をし、人々を惑(まど)わせていることでしょう。

 

十勝毎日新聞2024年11月掲載(オオイシ)