緑におおわれた森の地面をよくみると、タネから出た木の芽ばえをたくさんみつけることができます。写真はヤチダモの木の芽ばえです。タネから出たばかりのヤチダモの芽ばえは、一番下にかわいい双葉(ふたば)がついています。まだ0さいの子どもの木です。
森でたくさんみつけた木の芽ばえにめじるしをつけて観察(かんさつ)を続けたところ、1さいまで生き残った芽ばえは半分しかありませんでした。
自然のなかで木が大きく成長するまでには、さまざまな試練(しれん)が待ちうけています。木や草などいろいろな植物が育つ森では、植物の成長に必要な太陽の光のうばいあいがつねにくり返されています。小さな木の芽ばえは、うまく光を受けられなければ、かれて死んでしまいます。菌(きん)にとりつかれ、病気にかかって死んでしまう芽ばえもあります。また、森にすむ動物や虫に食べられてなくなってしまう芽ばえもあります。
森に出たたくさんの木の芽ばえのうち、大きな木になるまで生き残ることができるのはほんのわずかです。夏のあいだ、森のなかでは植物たちの生き残り合戦がひっそりとくりひろげられていくのです。
十勝毎日新聞2019年7月掲載(ミヤザキ)