「クモを狩るハチ」
地面の上をいっしょに移動するクモとハチを見つけました。最初はクモがハチをおそっているのかと思いましたが、よく見るとクモは足が固まったまま動かず、逆にハチがクモを運んでいるようです。自分の体より大きなクモを運ぶのはさすがに大変なのか、飛ぶことはできず、地面を引きずるように運んでいます。
このハチは、クモを狩って幼虫に与える「クモバチ」の仲間です。メスのクモバチは産卵の時期になると、クモをおそって針をさします。クモバチの針からは体をしびれさせる麻酔(ますい)が出て、クモは動けなくなってしまいます。クモバチは動けなくなったクモを地面にほった巣穴まで運び、クモの体に卵を1個だけ産みつけます。卵からかえった幼虫は、巣穴の中でしびれて動けないクモを食べて成長するのです。
クモバチは幼虫のために自分よりも大きなクモを狩りますが、クモも肉食なので、逆にクモに食べられてしまう危険もあります。それでも危険をおかしてクモを狩るクモバチからは母の愛を感じます。
十勝毎日新聞2023年5月掲載(サトウ)