5月の連休が終わり、遠足や運動会の季節になりましたね。森の中も、日々緑が濃くなっており、季節の移り変わりを感じます。
そんな新緑の森を歩いていると、倒れた枯れ木から小さな鳴き声が聞こえてきました。双眼鏡で声のする方を探すと、小さな鳥が休みなく動いているのが見えました。声の主は「ヤブサメ」というウグイスの仲間。くちばしの先から尾羽の先までの全長が11cmしかない小さな鳥です。ヤブサメは渡り鳥で、夏に北海道で子育てをし、冬は台湾など暖かい所に渡ります。
ヤブサメの特徴の一つが鳥らしくないさえずりです。図鑑などでは「シシシシシ・・・」と表現され、虫の鳴き声に近い音で鳴きます。雨音にも似ていることから、すみかの「藪(やぶ)に降る小雨(こさめ)の音」が名前の由来となったという説があります。
二つ目の特徴が、2cmほどの短い尾羽です。尾羽には飛んでいるときのブレーキや向きを変える役割があります。尾羽が短いことで小回りができ、混み合った笹藪(ささやぶ)の中を自由に飛び回れるのかもしれません。
姿を見るのは難しいヤブサメですが、6月ごろは夜や雨でも鳴いているので、笹藪に耳を傾け、虫のような鳥の鳴き声を探してみてください。
十勝毎日新聞2024年5月掲載
【森で出会ったヤブサメと尾羽の切り抜き】