朝にさき、昼にしぼむ「ツユクサ」

 夏の朝、まだ涼しいうちの登校時や散歩中に、道ばたや河原(かわら)の草のなかから小さなブルーの花が顔を出していることがあります。ツユクサの花です。海のような深(ふか)い青色は、夏の暑さを一瞬(いっしゅん)忘れさせてくれるようです。

手で花をつぶすと色がつきます。布や紙にこすりつけたら絵がかけそうです。ふだんよく見かける花の色には、白や黄色が多く、青色の花を見ることは少なくありませんか。自然のなかでは青色の花は少ないのです。

 夕方、学校が終わってツユクサを見に行くと、もう花を見つけることはできないでしょう。ツユクサの英語の名前は、「デイフラワー」と言います。朝にさいた花は、お昼ごろにはしぼんでしまうので、「その日のうちにしぼむ花」という意味です。

 しぼんだ花は、すぐ下にある苞葉(ほうば)のなかにしまわれます。ツユクサの苞葉は丸い葉を二つにおりたたんだような形で、そのなかでは数個のつぼみが守られています。花は11個ずつ苞葉の外に出てさきます。何日かの間、次々と顔を出してさき続けるのです。だから、花がなくなってしまったと思わないでください。次の朝には、また新しいツユクサの花と出会うことができるでしょう。

 

十勝毎日新聞2016年8月掲載(ミヤザキ)