花と葉は別の場所に「フキノトウ」

冬のあいだ、さびしかった庭や道ばたにも、あたたかくなるといろいろな植物が出てきます。四月に入ると、フキノトウが出はじめます。
フキノトウの天ぷらを食べたことがありますか?子どもにとっては苦い味がしておいしくないと思うでしょう。大人は独特(どくとく)の苦みを、春のかおりとして楽しみます。
「フキノトウ」は「フキの花のつぼみ」で、雪がとけた地面から黄緑色の頭を出し、花を咲かせます。フキノトウには、めばなの株(かぶ)とおばなの株があります。めばなは受粉(じゅふん)すると、茎(くき)をのばしてタンポポのような綿毛(わたげ)をもつたねを飛ばします。さらに、花の近くから少し遅れて「フキの葉」が出てきます。夏には、背丈(せたけ)ほども長くのびて大きな丸い葉になります。フキの葉を傘(かさ)にして遊んだり、おままごとのお皿に使う人もいるでしょう。
「フキノトウ」と「フキの葉」は同じ植物で、土のなかで地下茎(ちかけい)をとおして横につながっているのです。フキノトウやフキの葉を見つけたら、場所を覚えておくとよいです。土のなかの地下茎は残ったまま、来年も同じ場所に生えてくるので観察してみましょう。

 

十勝毎日新聞2016年4月掲載 (ミヤザキ)