「キノコは森のおそうじ屋」という言葉を聞いたことはありますか?
キノコやカビなど菌類の仲間には、自然の中でとても大切なはたらきがあります。それは、落ち葉や動物の死がいなどをくさらせ、分解して土や空気にもどすことです。菌類のこのようなはたらきがなければ、地球上は生き物の残がいであふれてしまうでしょう。
写真は、木の幹でよく見かけるツリガネタケです。ツリガネタケは、自然の中でも特にかたくて分解しにくい「木」をくさらせることができる菌類です。シラカバなどの枯れ木や弱った木につき、時間をかけて分解していきます。ツリガネタケが出てきて何年かすると、木はもろくボソボソになります。かたい木を分解していく能力には驚かされます。
ツリガネタケは人間の生活の中では、古くから、火おこしの材料としても使われてきました。1991年にヨーロッパの氷河で五千年以上前の遺体(いたい)がミイラになって発見され、アイスマンと呼ばれて話題になりました。そのアイスマンが、乾燥させたツリガネタケを袋に入れて持っていたのです。アイスマンも火おこしに使うためにツリガネタケを持っていたと考えられています。
十勝毎日新聞2023年12月(タチモリ)
シラカバの木についたツリガネタケ