植物の生き残り作戦「ひっつき虫」

植物は実やタネをつける季節です。植物はみずから動くことができないので、タネをできるだけ遠くに移動させて仲間を増やすための工夫をしています。

タンポポはタネに綿毛をつけて風に飛ばし、カタバミは実がパチンとはじけてタネをはじき飛ばします。

実は、みなさんもタネを運ぶ役目をしていることを知っていますか。草むらから遊んで帰ってくると、ズボンに「ひっつき虫」がついて、とるのが大変だったことがあるでしょう。ひっつき虫は服や動物の毛などにつく草の実で、遠くまでタネを運ぶためにいろいろな方法でくっつきます。

黄色い花が咲くキンミズヒキは、実がイソギンチャクのような形で、先がくるんと曲がったトゲで服にひっかかります。畑に多いアメリカセンダングサは、実にトゲのようなかたい毛をもち、服に刺さってくっつきます。道ばたに生えるオオバコの実は、雨でぬれるとネバネバするので、靴のうらにくっついて人の移動とともに運ばれていきます。

服についてやっかいなひっつき虫ですが、植物が生き残るためのたくましいワザを虫めがねなどでじっくり観察してみてください。

 

十勝毎日新聞2017年9月掲載(ミヤザキ)